経済インフラ・アップデート:2025年第4四半期
2025年第4四半期の経済インフラ・ポートフォリオにおける主な進展について紹介します。

所要時間: 6 分
日付: 2026年1月20日
「2025年第4四半期は、ポートフォリオ全体で着実な執行に取り組み、戦略的な進展を遂げた1年を締めくくるものとなりました。統合的なサステナビリティ・アプローチ、すなわち、資産のレジリエンス(強靭性)を高めると同時に長期的な価値創造を支えるアプローチは、具体的な成果を生み出し始めています。複雑な地政学的環境の中、私たちはアバディーン・インベストメンツのネットワークと能力を積極的に活用し、投資先企業が刻々と変化するリスクに対応するのを支援しています。動的な市場環境において、分散された中小型マーケットのインフラ投資に注力している点が、依然として大きな差別化要因となっています。2026年、そして当戦略の次号ファンドの立ち上げ計画を見据え、私たちは今後の投資機会に大きな期待を寄せています。この四半期アップデートでは、さらなる洞察と見通しを共有できれば幸いです。」
Dominic Helmsley、経済インフラ運用責任者
投資の最新状況
Auris、Fazerがラハティに新設するチョコレート工場にエネルギーを供給
Aurisは、Fazerがフィンランドのラハティに建設する新たなチョコレート工場の長期エネルギーパートナーに選定されました。Aurisは、蒸気、温熱、冷熱、および圧縮空気を完全に統合されたサービスとして提供しています。このソリューションはすべて電化されたシステムで構築されており、年間35ギガワット時を超える電力を供給すると同時に、加熱と冷却を一つの極めて効率的なプロセスに統合しています。また、蒸気生産を柔軟に調整することでデマンドレスポンス(需要応答)が可能となり、フィンランド全体のエネルギー転換を支援します。このパートナーシップは、Fazerのヴァンター拠点におけるAurisとの10年にわたる協力関係を拡大するものであり、カスタマイズされたエネルギーソリューションがいかに産業界の顧客のサステナビリティ、信頼性、およびコストの予見可能性を高められるかを証明しています。
「Fazerが中核事業に専念できるよう、包括的なエネルギーパッケージを通じて同社の効率的でレジリエンスの高い工場運営を支援できることを大変嬉しく思います」
Perttu Lahtinen、Auris Energy Services 最高経営責任者(CEO)
DIGI Andalucía – 持株会社によるデットファイナンスとさらなる光ファイバー網の展開
DIGI Andalucíaは2025年10月1日、DIGI Spainから第4回目かつ最終分となるファイバー資産(敷設済世帯数を示す「ホームズ・パスト(HP)」ベース)を取得しました。今回の取得によりHP数は25万に達し、プラットフォームとして250万HPを所有するというネットワーク資産の形成を、当初の計画より1年早く完了させました。セール・アンド・リースバック構造であることを踏まえると、当該事業は今後数年間でEBITDAを最大化し、魅力的な利回りを実現できる見通しです。
光ファイバー網の展開計画が最終段階を迎える中、アバディーン・インベストメンツは投資家の利益のために資本構成を最適化すべく、デットファイナンスのプロセスを完了しました。私たちは市場の平均と比較して保守的なレバレッジを維持することで、DIGI Andalucíaの長期的な運営を支援しています。
Airband – World Communications Award受賞
Airbandは12月、新しい無線技術が評価され、World Communications Award(WCA)の「Connecting Communities(コミュニティの接続)」部門賞を受賞しました。WCAは通信・コネクティビティ業界において世界で最も権威ある賞の一つであり、今回の受賞はAirbandにとって大きな成果です。この賞は、イノベーション、影響力、卓越性を国際的な舞台において称えるものです。同社は9月にも「Connected Britain」で「Wireless Innovation Award(ワイヤレス・イノベーション賞)」を受賞したばかりであり、今回の格差の解消への取り組み、さらには世界の主要企業と肩を並べる成功を裏付けています。

Greenaeroの地上支援機材(GSE)プラットフォームの継続的な拡大
アバディーン・インベストメンツの経済インフラ・チームは先般、当該戦略の既存ファンドが2024年に立ち上げたイタリアのGSEリース事業Greenaeroの拡大に向けた意欲的な計画について、Infralogic誌に取り上げられました。記事では、低炭素型GSEに対する旺盛な需要を背景に、事業の成長を支援すべく、エクイティ投資を増額するとともに、デットファイナンスも実施する計画に焦点が当てられています。これは、コア/コアプラス市場の中小型マーケット投資に注力するという私たちの戦略の好例です。今後は、目先のイタリア国内の入札での案件獲得や欧州の他地域への将来的な展開を模索するとともに、業界における現在の脱炭素化の追い風を利用することで、拡張性のあるプラットフォームを構築する方針です。CEOであるVittorio Mazzaの業界に関する深い知見も欠かせないものとなるでしょう。
今回のInfralogic誌への掲載は、持続可能なインフラ・ソリューションを提供し、投資家の皆様のために長期的な価値を創造するというチームの取り組みを反映しています。Greenaeroにとって2025年は成長を遂げた実りある1年となり、私たちは現在までに、この事業に対し2,000万ユーロを超える出資を行ってきました。また、イタリアにおける主要な地上支援業務(グランドハンドリング)事業者のうち5社との契約も締結しています。
NGT – 最高財務責任者(CFO)の任命
Mats Hagström、NGTのCFO
Mats Hagströmは、欧州全域で液体バルク(液体貨物)の貯蔵、加工、および物流プラットフォームを展開するChane Terminals GroupからNGTに移籍しました。エネルギーインフラプロジェクトにおける財務管理、株主関係、ガバナンスにおいて広範な経験を有する同氏がNGTの経営陣に加わったことは、エネルギー転換に対応するという同社の長期戦略の実行を支える目的で、組織全体の能力を向上させる取り組みの一環です。
サステナビリティ
第4四半期には、ポートフォリオ全体で多くの活動が見られました。Wessex Internetは、イングランドの農村部を接続する「コミュニティ第一」のアプローチが評価され、IJ Global ESG Awardsの「Social Impact(社会的インパクト)」部門においてその功績が表彰されました。歴史的遺産に配慮したインフラ構築から草の根レベルの地域貢献、地元の雇用創出に至るまで、Wessex Internetはデジタル・インフラがいかに真の社会的価値をもたらせるかを実証しています。同社は、インクルージョン(包摂性)の向上や経済的機会の創出、コミュニティの強化を推進しています。
私たちの最新のGRESB[2]スコアの結果は、複数の資産にわたる強力なパフォーマンスを裏付けています。評価の対象となったすべての資産においてスコアが改善しました。Loimua Oyは100点満点を獲得し、最高位の5つ星評価と業界リーダーの地位を維持しました。これは、前年比での優れた排出量削減と、脱炭素化に向けた継続的な進展に支えられたものです。Rock Railの2つの車両(East AngliaおよびMoorgate)も同じく100点満点を獲得し、5つ星評価を維持しました。これらの結果は、ポートフォリオ全体におけるガバナンス、レジリエンス、およびサステナビリティへの一貫した取り組みを反映しています。

イベント
欧州オルタナティブ投資コンファレンス – コペンハーゲン
経済インフラ担当のサステナビリティの責任者であるRuairi Revellは、180名以上の業界リーダーが集まり、プライベート・マーケットの将来を形作るテーマを検討する「第2回欧州オルタナティブ投資コンファレンス」に登壇しました。このコンファレンスのトピックは「The economics of the energy transition: investing for profit or the planet? (エネルギー転換の経済原理:投資の目的は利益か、それとも地球か)」でした。議論では、危機局面におけるポートフォリオのレジリエンス、防衛およびグリーン・トランジションへの資本供給、プライベート・マーケットの統合に焦点が当てられました。パネルディスカッションにおいてRevellは、財務的な重要性とサステナビリティ目標のバランス取ることについて語り、長期的な価値創造と脱炭素化目標を一致させる実務的なアプローチの必要性が浮き彫りになりました。

PEI責任投資フォーラム・ヨーロッパ – ロンドン
責任投資フォーラムにおいて、Revellはインフラ分野の政策および規制動向に関するパネルディスカッションに登壇しました。このセッションは、オムニバス法案(一括法案)の採決およびSFDR 2.0(欧州サステナブルファイナンス開示規則の改定版)の公表と時期を同じくして行われました。フォーラム全体を通じた対話からは、重点が「情報開示」から「リスクと価値」に移行しており、サステナブルファイナンスに対するアプローチがより成熟していることが伺えました。パネルディスカッションでは、進化を続ける規制の枠組みを、いかに実務に即した形で円滑に適用し、責任投資の推進につなげられるかが議論されました。議論の中では、サステナビリティを投資判断の中核に組み込むことの重要性が改めて明確になりました。

Infralogicパネルセッション – ロンドン
Infralogic投資家フォーラム2025において、インベストメント・ディレクターのAlex Andersonは、ミドルマーケット戦略を成功に導く要因を探るパネルディスカッションに登壇しました。そこでは、一般的に資産獲得競争が相対的に厳しくない中小型マーケットに対し、私たちが10年にわたり継続してきた取り組みの意義が改めて裏付けられました。また、この領域は、独自の相対案件を発掘・創出する機会を提供しています。さらに、実務に深く関与するハンズオン型の価値創造(バリューアップ)により、ラージキャップ(大型案件)市場と比較して、魅力的なリスク調整後リターンを一貫して生み出す余地があります。
このパネルディスカッションの全編は、こちらからオンデマンドでご視聴いただけます。

最新の運輸レポートの公開
アバディーン・インベストメンツは、最新のインサイト記事「インフラ:主要な柱、メガトレンドとしての運輸 」を公開しました。本記事は、都市が拡大しエネルギー転換に依然として焦点が当たる中で、民間投資がいかに運輸セクター全体のイノベーションを推進しているかを浮き彫りにしています。電化された鉄道網からスマート交通システムに至るまで、運輸セクターは、現実世界に有意義な影響を与えつつ、安定性とインフレ連動型のリターンを提供できる位置にあります。過去10年間にわたり、アバディーン・インベストメンツの経済インフラ・チームは、英国の旅客鉄道の近代化において主導的な役割を果たしてきました。2016年以降、旅客用鉄道車両に24億ポンド以上を投資し、現在の英国内全車両の10%以上に資金を供給しています。
政治不安と紛争への備え:12月のセミナーの主要なポイント
アバディーン・インベストメンツは12月に、地政学リスクとオペレーショナル・レジリエンスに関する戦略的セミナーを主催し、インフラ・ポートフォリオ企業8社のCEOおよび経営幹部がこれに参加しました。このセミナーには、フィンランド、ポーランド、英国、オランダから参加者や業界の専門家が集まり、変化する脅威について検討しました。セッションでは、ハイブリッド脅威の複雑化、サイバーセキュリティと物理的セキュリティを統合した対策の必要性、重要インフラ全体における先見的なリスク管理の重要性が浮き彫りになりました。
「備えを万全にすることは、一度限りの作業ではありません。それは、インテリジェンス能力を高め、リスクを戦略に結びつけ、ウォーゲーミング(模擬演習)や危機シミュレーションを通じて計画をストレス・テストする継続的なプロセスなのです。あらゆる組織は、混乱が生じた際に効果的な適応・対応ができるよう、自らのプロセスにレジリエンスを組み込まなければなりません」と、アバディーンのシニア・アドバイザーであるArto Rätyは述べています。今回の取り組みは、多岐にわたる重要な施策を通じてポートフォリオ企業を支援するという私たちのコミットメントを反映しています。各企業は、地政学リスクやオペレーショナル・リスクに対するレジリエンスを含め、アバディーン・インベストメンツの広範なネットワークから恩恵を享受しています。

アワード:FundsEuropeの「機関投資家向けプライベート・マーケット・マネジャー」部門にノミネート
アバディーン・インベストメンツの経済インフラ・チームは、FundsEuropeの「Private Markets Manager of the Year for Institutional Clients(機関投資家向け年間最優秀プライベート・マーケット・マネジャー)」部門にノミネートされたことを大変光栄に思います。11月20日にヒルトン・ロンドン・バンクサイドで開催された授賞式ディナーには、チームから数名のメンバーが出席しました。今回のノミネートは、チームの投資家に対する揺るぎないコミットメントを反映したものであり、グローバルな投資家層が拡大する中で、プラットフォームが成功を収めていることを裏付けています。
設立10周年記念イベントの開催
アバディーン・インベストメンツの経済インフラ・チームは、ロンドンで設立10周年を祝う記念イベントを開催しました。このイベントには、日頃より多大なるご支援をいただいているシニア・アドバイザーや社外取締役をはじめ、投資銀行、法律、税務分野のパートナーの皆様にご出席いただきました。また、アバディーン・グループCEOのJason Windsorと、アバディーン・インベストメンツCEOのXavier Meyerも出席し、ともにこの節目を祝いました。当日のハイライトの一つとして多くの出席者を惹きつけたのは、経済インフラ運用責任者のDominic Helmsleyが特に誇らしげに披露したEast Anglia路線の鉄道車両模型でした!


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