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The Investment Outlook

株式:新興国市場は投資家が米国のAIブームを回避するのにどう役立つか

米国株式が「完璧なシナリオ」を織り込んだバリュエーションで取引され、市場の集中度が歴史的な高水準に達している中、新興国市場は、よりバランスの取れた成長への道筋と、ポートフォリオのリスクをリセットする手段を提供してくれる可能性があります。

執筆者
株式インベストメント・スペシャリスト・ヘッド(アジア太平洋地域)
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The Investment Outlook

所要時間: 2 分

日付: 2026年2月12日

ここ数年、米国株式はグローバル市場の牽引役となってきました。特に、巨大テック銘柄の圧倒的な優位性は驚異的なものでした。

しかし、米国のバリュエーションが一切の失敗が許されない世界をますます反映するようになっていることから、投資家の間には不安が広がっています。

対照的に、新興国市場は米国株のこうした状況とは一線を画す、新鮮な選択肢を提供しています。より高い利益成長の可能性、より広範なセクター・地域へのエクスポージャー、割安なバリュエーション、そして人工知能(AI)を含むグローバルな投資サイクルにおける確固たる地位といった魅力です。

米国市場が「完璧なシナリオ」を織り込んでいると感じられる世界において、新興国市場は、まさに投資家が求めているような分散投資先となる可能性があります。

利益成長:AIによって強化されるが、AIに依存はしない

2026年に関するコンセンサス予想では、新興国株式の利益成長率は18%に達する見通しであり、先進国市場を優に上回っています[1]。AIはこの成長において重要な役割を果たしていますが、唯一のドライバー(原動力)というわけではありません。

北アジアは、依然として世界のAIインフラの基盤となっています。韓国や台湾のハードウェアメーカーは、AIモデルやデータセンターの拡張を支えるメモリ、先端ロジック、高性能部品を供給し続けています。

しかし、バリュエーションがほぼ完全に非の打ちどころのないAIの収益化にかかっている米国の超大型株とは異なり、新興国市場のテクノロジー企業がAIから得ている利益は、全体の一部に過ぎません。

  • 台湾では、AI関連の需要は通常、売上高の20〜30%[2]
  • 韓国では、AI関連の需要は約10〜20%[3]

利益の源泉がより分散されていることは、制約ではなくむしろ強みです。新興国企業は、将来の成長のすべてをAIが担わなければならないかのような過度な期待が株価に織り込まれることなく、AIサイクルの波に乗っています。

実際、新興国企業の利益は、一連の循環的・構造的な変化から恩恵を受けています。こうした変化には、「伝統的」なメモリ市場の回復、有利な為替動向、再工業化、サプライチェーンの再編、国内消費の拡大などが含まれます。

分散

新興国市場が投資家に提供する第2のメリットは、分散効果です。これには、米国市場からの分散と、新興国市場が持つ多層的な成長構造の中での分散という2つの側面があります。

米国市場以外への分散

2023年以降、S&P500指数のリターンの約50%[4] を「マグニフィセント・セブン」の驚異的な上昇が占めてきた結果、現代の株式市場の歴史において、米国市場はインデックスの集中度が異例の高水準になっています。

これらの企業は、リターン、バリュエーション・マルチプル、投資家心理を支配しています。そのイノベーションに疑いの余地はありませんが、現在の株価には、AIの普及や収益化に関する期待がすでに織り込まれており、失望の余地がほとんど残されていません。

対照的に、新興国市場は依然として、地域、セクター、収益源のいずれにおいても幅広く分散されています。特定の企業やセクターがインデックスのリターンを支配しているような状況にはありません。

韓国や台湾の製造拠点は、AIインフラに直接つながっており、アジアや中南米の工業製品輸出企業は、世界的な設備の刷新やリショアリング(生産拠点の国内回帰)の流れを支えています。さらに、インドや東南アジアの一部といった市場で見られる国内消費の拡大は、他との相関性が低い独自の利益成長の原動力となっています。

AIは、送電やロボティクスから、海運、鉱業、電力網インフラに至るまで、世界的なサプライチェーンの大規模な再編を後押ししています。こうした世界において、新興国市場はその産業の幅広さゆえに、そこから生じる波及効果を取り込める類まれな立場にあります。

米国市場で株価調整が起こった場合、新興国のハードウェア企業も当初は影響を受けるでしょう。しかし、私たちは、新興国市場は収益源や成長テーマが分散されているため、迅速に回復すると考えます。

ハードウェア以外への分散

新興国のテクノロジーへのエクスポージャーは、純粋にハードウェア主導であると誤解されがちです。しかし実際には、クラウド・インフラ、産業の自動化、デジタル決済、AI用途以外の半導体、新興国市場間(EM-to-EM)の連携が拡大しているオンライン・サービス、さらにはコストとイノベーションで競い合う自国開発のAIエコシステムまで多岐にわたっています。

分散は単なるリスク管理上のメリットにとどまりません。それはリターンの原動力でもあります。ChatGPTのような消費者向けAIを超えた幅広いグローバルなテクノロジー転換において、新興国は複数の経路からその恩恵を享受できる立場にあります。

バリュエーション:依然として魅力的であり、過小評価されている

昨年の新興国市場の力強いパフォーマンスにもかかわらず、バリュエーションはなお際立って魅力的な水準にあります。MSCIエマージング・マーケット・インデックスは、S&P500指数に対して42%のディスカウントで取引されており、ディスカウント幅の長期平均である約32%と比較しても割安です[5]。

この格差は、以下のような状況にあっても継続しています。

  • 新興国の利益成長率の方が高い
  • 新興国の通貨が上昇している
  • 新興国の財政がより健全である
  • 新興国市場のインデックス集中度がはるかに低い

新興国投資において、投資家は完璧なシナリオに対して対価を支払っているのではありません。単なる期待ではなく既に存在している利益、さらには、まだ初期段階にあるAIサイクルのオプション価値(将来の選択肢としての価値)に対価を支払っているのです。

おわりに

投資家が再び大きな不確実性に満ちた1年に備える中、3つのメッセージが明確になっています。

  • 新興国市場の利益成長は力強く、分散されており、AI関連の構造的な投資によって支えられている
  • 米国市場の集中からの分散、および新興国のマルチエンジン型の成長基盤による分散は、テクノロジーの変化を取り込むためのより強靭性の高い手段となる
  • バリュエーションは引き続き魅力的であり、利益成長の力強さと将来的な株価の再評価の両方を通じて妙味のある投資機会を提供する

本内容は、原則として機関投資家のお客様への情報提供を目的として作成・公開しています。

  1. Aberdeen, Factset consensus estimates, January 2026
  2. Aberdeen, UBS, January 2026. Data market cap weighted.
  3. Aberdeen, UBS, January 2026. Data market cap weighted.
  4. https://www.investopedia.com/is-the-magnificent-seven-no-more-11699842
  5. CLSA, September 2025

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